
早速ですが、企業で働くWebデザイナーには制作会社勤務の場合と、メーカーなどの一般企業に在籍する社内Webデザイナー(インハウスデザイナー)の2パターンがあります。
Webデザイナーのイメージの大半は、社内に何人もデザイナーがいて、クリエイティブな空間の制作会社ってイメージが強いかと思いますが、一方で一般企業で少数精鋭で在籍しているサイトやデザイン関係を担当しているインハウスのWebデザイナーも割といるんですよ。
実際に私は3年前からインハウスデザイナーとして勤務しているので、当記事では実際に働いて感じた社内Webデザイナーのメリット・デメリットをご紹介いたしますね。

メリットデメリットだけでなく、向いている人や、社内Webデザイナーの求人案件の探し方もまとめてご紹介いたしますよ。
早速記事を読んでみましょう。
当記事の信頼性
現役のWebデザイナーです。
自分が経験して感じたことをもとにメリットデメリットを書いていきます。
社内(インハウス)Webデザイナーとは?
社内(インハウス)Webデザイナーとは、簡単にいうと企業に在籍しているWebデザイナーです。
Webサイト制作を主な業務としている制作会社ではなく、別の業務をメインで行なっている企業のWeb部門で働いているといった感じ。
制作会社は依頼を受けて他社のサイトを作ることが多いです。
一方インハウスのWebデザイナーは、その在籍している企業のWebサイトやチラシ、広告運用、名刺などを担当することが多め。

社内(インハウス)Webデザイナーの仕事内容
社内(インハウス)Webデザイナーはその勤めている企業によって任される業務が違います。
それもそのはず。
企業によってはWebサイト運用しかしなかったり、名刺は外注しているといったパターンや、広告運用をしない企業だってあるからです。
また、アパレル系のインハウスWebデザイナーであればバナー制作を行うことが多いですが、不動産会社のインハウスWebデザイナーであればポスティング用のチラシを作成したりポスターを作成したりなど業態によってもやることが変わってきますね。

勤めている企業によっては任される仕事内容は多岐に渡るのが特徴です。
デザイン、コーディング、マーケティング、DTP(印刷物制作)などのどれかを極めたいなら制作会社やマーケティング会社に勤め、いろんなことをできるようになりたいならインハウスWebデザイナーになることをオススメしますよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット
- スケジュール管理がしやすい(激務になりにくい)
- いろんな仕事ができる
- 興味のある分野の仕事ができる
- 自分次第で会社を成長させられる
- 待遇が良い場合がある
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット1スケジュール管理がしやすい(激務になりにくい)
制作会社のように外部から依頼を受けて仕事をする場合は納期というものが設定され、Webデザイナーはこの納期に苦しめられ、時に激務になります。
ただ、インハウスの場合、自社のサイトを回収したり自社の名刺を作ったり広告の予算を変動したり分析したりなので、納期に余裕があったり自分で設定できたり、結構ゆるい。
ということでスケジュール管理がしやすく、残業しまくりとか激務になる可能性が制作会社より低いのが特徴です。
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット2いろんな仕事ができる
制作会社だとデザインだけをするデザイナー、コーディングだけをするコーダーなど分業されているところがほとんどですが、社内(インハウス)Webデザイナーは色々任されがちです。
それもそのはず。
企業は本業でもないWeb部門にそこまで人員を確保しないからです。
ということで少ない人数でやることから色々な業務を任されることが多いのですが、そのおかげでデザインもコーディングも印刷物もできる機会があったりするので、スキルの幅や経験値が上がりますよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット3興味のある分野の仕事ができる
例えばアパレル関係が好きなWebデザイナーは、アパレル関連企業の社内(インハウス)Webデザイナーになれば好きなもののデザイン関連にばかり関わることができます。
制作会社勤務であれば色々な業種の案件の仕事をこなしていくので、よほどの売れっ子デザイナーでない限り仕事は選べませんよね。
自分がやりたい業種のデザインが定まっているのであれば、社内(インハウス)Webデザイナーは最高だと思いますよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット4自分次第で会社を成長させられる
制作会社であれば依頼を受けて制作して納品して終わりというパターンが多いですが、社内(インハウス)Webデザイナーは自社のものを制作することがメインなので、制作したその後が見れます。
例えばWebサイトであれば改修した後の反応率を見ることができたり、チラシや広告を試した後の集客への効果を計測できたりなどができるんです。
Webサイトやチラシ、広告などは効果を求めて制作や運用を行うものなので、その効果がどうなっていったかを知れるということはやりがいに繋がりますよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのメリット5待遇が良い場合がある
Webデザイナーは給与水準が低い業種です。
これはもう仕方がない。
ただ、制作会社は業界の水準に引っ張られ、例えば未経験だと16万からみたいなところが多かったりしますが、インハウスWebデザイナーの場合だと高待遇の求人があったりします。
例えばその企業で営業職は20万からの基準で求人を出しているから、Web部門の採用も20万からにする。など。
私もこのパターンの企業に採用されたので、未経験独学からスタートしてますが、給料は20万スタートでした。
札幌市の未経験Webデザイナーの一般的な給料で考えると、かなりの高待遇です。
社内(インハウス)Webデザイナーだとこんな掘り出し求人もあったりしますよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのデメリット
- 仕事内容をあまり理解してもらえない
- パソコン関係の質問・トラブル対応を任せられがち
- Webのスキルが身につきにくい
- 同業の人が少ない(いない)
社内(インハウス)Webデザイナーのデメリット1仕事内容をあまり理解してもらえない
制作会社で働く人はそれぞれが制作に関わる仕事をしているので、別部署であってもどんな仕事をしているかは大体わかります。
一方で例えば不動産業を営んでいる会社のインハウスWebデザイナーは、専門知識が全く違うため、不動産の営業マンからは「何してるのかいまいちわからない」と思われがち。

今何をしているのか、やっている作業はどれくらいの難しさなのか、どれくらい頑張っているのか、いつ終わるのかといったことがいまいち理解されないことが多いです。
社内(インハウス)Webデザイナーのデメリット2パソコン関係の質問・トラブル対応を任せられがち
Webデザイナーは一般の人からすると、Web系の仕事をしている → パソコンをよく使う → パソコンに詳しい → トラブルや不具合解決にも詳しいという風に思われがち。
ということで、社内(インハウス)Webデザイナーは一般企業はパソコン関連のトラブル対応を任されることがよくありますよ。
Wi-Fiが繋がらないとかネットワーク関連の知識だったらまだいい方。
ExcelやWord、メールソフトや会社で使っているシステムの不具合までヘルプを求められることもあります...
社内(インハウス)Webデザイナーのデメリット3Webのスキルが身につきにくい
制作会社はデザインやコーディングなど分業して制作を行うことが多いことから、専門性を高めやすいです。
さらに、色々な業種や店舗のWebサイトを制作することで、経験やスキルの幅も広がります。
一方インハウスWebデザイナーは在籍している企業のことをメインに行うため、スキルの幅が広がりにくい場合が多いですよ。
社内(インハウス)Webデザイナーのデメリット4同業の人が少ない(いない)
制作会社は一つの案件に分業してチームで作業をしていたり、会社全体でWeb制作に関わっているので同業の人や先輩なども多くいます。
一方インハウスの場合は企業の一部署なので、制作会社に比べるともちろん同業の人は少ないです。

社内(インハウス)Webデザイナーに向いている人の特徴
インハウスデザイナーのメリットをお伝えしましたが、まとめると下の項目に当てはまる人にはオススメといった感じです。
- Web制作以外のことも経験したい人
- 自分で一通りできるようになりたい人
- 制作物を育てていきたい人
インハウスはWeb制作、Webデザイン制作以外にも多岐にわたって業務を経験できる可能性が高いです。
デザインもして、営業もして、印刷物も作れるようになって、広告運用やネットワーク関連、サーバーの知識も手に入れたい!といった方にはぴったりかなと思います。
むしろ制作会社などではどれか一つを任せられる場合がほとんどなので。
このように色々な経験を積むと自分で一からWebサイト制作をできるようになり、ゆくゆくフリーランスになれる道が開けたりしますよ。
また、インハウスは自社のものを運用することが多いので、例えばWebサイトを作って納品して終わりではなくアクセス数を分析して改善なども行うことができます。
ということで自分が作ったものを改善していったり結果を見ていきたい人にとってはとてもオススメです。
社内(インハウス)Webデザイナーに向いていない人の特徴
逆にインハウスデザイナーのデメリットから考えて、向いていなさそうな方の特徴はこちら。
- 雑務をしたくない
- Webデザインだけしたい
- 専門スキルをバリバリ伸ばしたい
インハウスは多様な業務を任されたり社内の人からパソコン関連のトラブル対応をお願いされたりすることが多いので、上の3つが当てはまる人にはオススメしないです。
専門的な業務を集中して行うことができる制作会社で勤めるのがいいですよ。
制作会社勤務と社内(インハウス)勤務Webデザイナーの給与の差は?
制作会社勤務と社内(インハウス)勤務Webデザイナーはどっちが優れているとかではないので、特に給与に差がある訳ではありません。
ただ、メリットを紹介するところでちらっと説明しましたが、インハウスは稀に条件がいい求人がある場合があることもあります。
なぜなら、制作会社はWeb業界で給与を判断するけど、インハウスはその企業が給与を決めることがあるから。
特に未経験の求人はインハウスの方が高い傾向にあると思います。
Webの初任給は16万とか低めのところがほとんどですが、一般企業の営業は22万とかのところが多く、そんな企業でWebデザイナーを募集した際には20万で募集したりしてるのもよくみかけますよ。

社内(インハウス)Webデザイナーについてのまとめ
インハウスWebデザイナーは、WEBのデザインのみでなく広告関連や印刷物制作などいろんな経験ができたり、激務になりにくいなどの良さもありますが、スペシャリストになりにくいなどのデメリットもあります。
一長一短といった感じ。
ただ、わかりやすくいうと、ガンガンWebデザイナーとして成長していきたかったりスペシャリストになりたければ制作会社、自分の時間も大事にしたりなんでもできるゼネラリストやフリーランスを目指すなら社内(インハウス)Webデザイナーを検討するのがいいかと思いますよ。
同じWebデザイナーでも仕事の幅や進め方、専門性は結構違うので、どうなりたいかを考えてより実現できそうな方を選びましょう!
当記事が参考になれば幸いです。